循環器科
Cardiology

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循環器科

心臓病は大きく分けると2つのタイプがあります。
生まれつき心臓に問題がある先天的な心疾患と高齢になって発症する後天的な心疾患です。
近年は大切に飼っていただくことで動物の寿命が飛躍的に伸び、後天的な心疾患にかかる率が高くなってきました。様々な心疾患やそこから引き起こされる病気での来院がありますが、その中でも特に小型の高齢犬多いのが「心臓弁膜症」です。
後天的な心臓病は残念ながら現在の獣医学では完治することができません。
しかし、心臓の状態を把握しながら適切なお薬を飲むことで、良好な毎日を長く過ごしてもらうことができます。そのためには飼い主さまがしっかりとした予備知識を持ち、万が一の場合も早期に発見してあげることが重要となってきます。

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よくある症状

このような症状はありませんか?

これらは循環器科の疾患の可能性が疑われます。これらは心臓から血液の流れが悪く、全身への血液量(拍出量)が減ることや、心臓に血液が鬱滞(うったい)することで、症状が出ます。病態が進行すると呼吸困難や肺水腫を引き起こし、救急対応が必要となることもあります。
意外に多いのは、症状が出ていなくても、ワクチン接種などの定期的な健診時に、獣医師の聴診により心雑音が見つかるケースです。(生まれつき心臓に問題がある「先天性疾患」も初めての診察の中で聴診や問診から見つかることがあります)
動物メディカルセンターでは病気の早期発見のために健康診断(DOC)をおすすめしています。シニア期(7才以上)を過ぎたら心臓病の要注意年齢です。ぜひ心臓検査を受けさせてあげてください。

  • 咳をする
  • 運動をするとすぐに疲れる(散歩を喜ばなくなった)
  • 興奮すると舌の色が悪い(紫色に近い)
  • 息が荒い
  • 呼吸が苦しそう
  • 呼吸時ガーガー鳴る
健康診断(DOC)・検査

猫の肥大型心筋症

心臓の筋肉が肥大し心機能が悪くなるため、呼吸困難・開口呼吸・チアノーゼ・運動不耐性などが見られます。心臓内部で血栓が発生し、血栓症が起こることがあります。突然後ろ足が麻痺する場合があります。

現在まだ絶対的な治療法が確立されていない難病ですが、まずは早期の診断そして最新の情報を踏まえて薬剤を複数効果的に用いることで状態の改善をはかります。

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フィラリア症

蚊に刺されることで感染するフィラリア症。確実な予防薬の投与で防げますが、万が一感染してしまった場合、手術で心臓に寄生するフィラリア虫体を摘出する方法があります。難易度の高い手術ですが、当院では多くの実績があります。他にお薬を使っての治療法もありますが、薬も手術もハイリスクです。

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循環器科の検査

以下のような検査を行い、心臓の状態を調べていきます。

診聴

心臓音(雑音の程度)、呼吸音を調べます。

レントゲン(X線)検査

心臓の肥大の程度や血管に異常がないかなどを調べます。

心電図検査

電気的流れから波形の異常や不整脈の有無を調べます。すぐに治療が必要な危険な不整脈から、治療せず経過観察を行う不整脈までさまざまです。心臓の電気的な活動を診るための重要な検査です。

超音波検査(エコー検査)

心臓内の部屋の状態や弁の動き、血液の逆流などを調べます。心臓の内部構造や大きさの変化、血流などをリアルタイムで確認することができます。 この検査で診断を確定したり、病態を把握することができます。

血液検査

心臓の治療においては心臓以外の身体の状態も把握することも重要です。心臓以外の内臓やホルモンの状態が心臓に影響を及ぼす可能性があります。
特に、腎臓は心臓病の治療を 行うにあたって重要な臓器であり、腎臓が悪いと心臓病の治療によっても影響を受けます。

血圧測定

心血圧も心臓病の状態と関わりがあります。心臓のお薬は血圧を低下させるものもあるため、お薬による作用が適切かどうかを確認します。

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飼い主様へ

早期に気付いて治療を開始すれば、心臓に問題があったとしても日々の生活を楽しくとどこおりなく過ごさせてあげることができます。心臓病になったからといってこれまでの生活をあきらめることはありません。
ただし、普段の生活で「塩分をへらす」「処方食をあげる」「お散歩はゆっくり」「ジャーキーなどのしょっぱいおやつは避ける」などといったことに気をつけてあげてください。そのためにも定期的な検査と飼い主さまが病気に対する知識を持っていただくことが重要になります。
繰り返しますが、早期発見・治療のためにも循環器疾患では、定期検診はとても重要です。まずは健康診断から実施してみませんか?

健康診断(DOC)・検査
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