前十字靭帯断裂症
Cranial Cruciate Ligament Injury

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前十字靭帯断裂症

前十字靭帯は膝関節内に後十字靭帯と交差するように存在し、脛骨の前方運動や内旋運動を抑制し、膝関節の安定を保っています。一度損傷すると膝関節の不安定が持続するのが現状です。

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治療法

関節内および関節外固定法

従来の手術方法でヒト医学と同様に自己の前十字靭帯に変わる自己組織・人工靭帯などの使用により、本来の靭帯の位置またはそれに変わる位置への装着により膝関節の安定化を目的とする。
人と動物の膝とは構造上異なるため、本来の靭帯にはかなわず、ゆっくりと変形性関節症へ進行、『獣医外科医の悩み!』でした。

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手術内容

手術は、前十字靭帯が欠如した膝関節に対し、脛骨高平部を水平化することにより、脛骨の前方への力を生体力学的に中和し、脚の負重時の安定化をもたらします。

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TPLO術前と術後

TPLO術前

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前十字靭帯を欠如

●理論

ロープが無ければ車は後方へ滑り降りる

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TPLO術後

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前十字靭帯が無くても安定

●理論

ロープが切れても車は停止する

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※手術は基本的に二次的な半月板損傷を防止するため場合により内側半月板後角の遊離術も併用することもあります。
現在、動物メディカルセンター(大阪の箕面・茨木・高槻)では、日本での人気小型犬種にもMini TPLO/CBLO(CORA Based Leveling Osteotomy)を使用し良好な成績を得ており推奨しております。また、成長期脛骨高平部過剰角形成にはTPLO&CCWO(Cranial Closing Wedge Osteotomy)にて対応しております。

従来の手術法と比較すると

  • より歩行上の膝の動きが安定し、動物の術後早期回復が著明に改善
  • より長期的に変形性関節症への進行を抑制
  • 慢性関節炎・変形性関節症が始まっていても有効
  • 特に中型から大型犬に有効といわれておりました
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治療の様子

ヨークシャテリアとチワワのMini TPLO

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脛骨高平部過剰角に対するTPLO&CCWO術前と術後

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