膝蓋骨脱臼
Patellar dislocation

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膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼とは後肢にある膝蓋骨(いわゆる『おさら』)が正常な位置から逸脱した状態をいい、これには内側にはずれる膝蓋骨内方脱臼(Medial Patella Luxation:MPL)と、外側にはずれる膝蓋骨外方脱臼(Lateral Patella Luxation:LPL)があるが、その発生頻度は圧倒的に内方脱臼が多いと報告されております。

膝蓋骨内方脱臼好発種

  • チワワ
  • ヨークシャーテリア
  • ポメラニアン
  • トイプードル
  • シーズーなどの小型犬種

膝蓋骨外方脱臼好発種

股関節形成不全に伴うことが多く、大型犬種に多い

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膝蓋骨脱臼を放置すると!

治らない・歩行障害・痛みの持続・関節の腫脹・脚の変形・関節の可動範囲の低下・他の脚への過剰負荷・筋肉の萎縮・前十字靭帯・半月板損傷・股関節の異常・食欲元気消失・悪い生活のリズムなどが考えられます。つまり慢性関節炎・変形性関節症への進行いたします。

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原因

先天性・発育性・外傷性・股関節形成不全症など

程度の分類

グレードⅠ〜グレードⅣに分類される

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治療法

保存的療法

体重コントロール・運動コントロール・消炎鎮痛剤・軟骨修復保護剤など→根本的には治らず

外科的治療法

膝蓋骨を正常な位置へ戻し、脱臼しないように安定させることを目的とする手術です。

1:滑車溝(膝蓋骨の乗っている大腿骨の溝)の形成
2:弛緩した関節包、筋膜を縫縮
3:膝蓋骨と種子骨を糸で補強
4:脛骨粗面転移術:膝蓋骨からの腱が下腿骨に付着する部位の移動→脚のますっぐさを整える
5:金属(パラガード・骨ネジなど)の装着
6:大腿骨・下腿骨の変形を矯正:矯正骨切り術

様々な滑車溝と様々な形成術

正常

事例:1

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    術前1

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    術後1

事例:2

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    術前1

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    術後1

事例:3

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    術前1

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    術後1