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2015.03.19
みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。
みなさんは「てんかん」という病気にどんなイメージをお持ちでしょうか。
患者さんへの偏見や、運転中の発作による大規模な事故など、社会的な側面を取り上げられることも多い病気ですので、名前くらいは耳にしたことのある方が多いのではないでしょうか。
これは脳の病気の一種で、脳内に異常な電気的興奮が起こることで神経細胞がショック状態に陥り、発作を起こしてしまいます。
そして、人間だけでなく、ペットたちもこの「てんかん」に悩まされることがあるのです。
てんかんは、一生付き合っていかなければならない類の病気ですので、万が一みなさんのペットが発作を起こしたときに、適切に対処できるように正しい知識を持っていてほしいと思います。
てんかんの発作には、「全般性発作」と「焦点性発作」の2つのタイプがあります。
全般性発作は、脳全体の神経細胞が一斉に興奮することで起こります。全身がピンと伸びて横転したり、足や口を震わせる、手足を屈伸させたり泳ぐような動きをするなどの症状が出ます。
ほかにも、瞳孔が開いたり、糞尿をもらしてしまう、泡を吹くなどの症状もあります。
一方の焦点性発作は、脳の一部が興奮して起こる発作で、体の一部がピクピクとします。
原因は、脳腫瘍や脳炎、事故などによる脳の損傷などの明らかな脳の異常から、原因不明のものまで様々です。
もし、ご自分のペットがこれらの症状に見舞われてしまったら、まずは落ち着いて周囲の安全を確保しましょう。発作中に無理に抑えつけるのは危険なので、周りにぶつかってしまいそうなものがあれば、排除するのです。
その上で、病状を観察し、獣医師にしっかりと伝えましょう。
てんかん発作はある日突然に起こるものです。その後は、発作の頻度が上がり、症状も激しくなっていきます。しかし、初期で治療を始めれば、ひどくならずにすむ場合も少なくありません。
発作が起きたら、すぐに獣医の診察を受けるようにしてください。