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2024.11.09
シニア・介護についてリハビリテーション
こんにちは、しつけとリハビリテーションを担当している小池です。
前回の『足が踏ん張れない』では、加齢によって踏ん張る力が弱くなったかもと感じたら、すぐに対策をたてましょうというお話でした。
現在、本格的な個別のリハビリテーションだけでなく、高槻病院で週1回『シニアリハビリワンポイント相談会』として、ちょこっとアドバイスとリハビリ体験の時間も作っています。
特に今大きな問題を抱えているわけではないんだけど・・という方でも、
若い頃と比べると寝てばかり
つまづきやすい
足がすべって開いてしまう
段差を越えようとしなくなった
など、シニアになるといろいろ気になることが増えてくるようです。
実際に身体を触ってみると、ほとんどのワンちゃんで、何かしら気になる部分が見られます。
・関節の動きが硬い
・背中が丸くなって頭が下がっている
・肩周りの筋肉がこわばっている
・前肢が左右に開いてすべる
・前肢の肘が外に開いて負担がかかっている
・後肢の足先が前方にきてしまって上手く踏ん張れない
・後肢が左右に開いてすべる
・後肢が中央により足がもつれる
・身体の傾きがあって左右対称性が低い
・重心が前方に寄りすぎている
などなど・・・
気になるところを挙げていくときりがないくらいです。
しかし、実は『加齢=老化』ではありません。
加齢は平等にやってきますが、老化は個体差が非常に大きいものです。
シニアリハビリテーションとは、『老化に伴う機能の喪失を出来る限り少なくするために行うリハビリテーション』なのです。
すぐに取り入れられるシニアリハビリテーションの基本セットとして、
①循環の改善:ホットパックや表面のマッサージ
②筋肉のマッサージ&ストレッチ:筋肉の張っているところや硬くなっているところ
③関節可動域運動:動く範囲をちゃんと動かす
④姿勢のバランスを調整:前から横から上からみて、きれいな姿勢をキープ
⑤エクササイズ:座り立ち運動・段差越え・散歩・ジョギングなど
をお勧めしています。
上記はホームリハビリテーションとしても取り入れやすいですので、シニア期を迎えて気になってきた方は、ぜひお気軽にご相談下さい。
2023.11.11
シニア・介護についてリハビリテーション
こんにちは。
しつけとリハビリテーション担当の小池です。
若い頃はドッグランを全力疾走しても疲れ知らずだったワンちゃんも、年齢を重ねてくるとあまり走りたがらなくなることがあります。歳のせいかしら・・と思っていると、『走らない』のではなく、『走れない』状態に気付く場合もあります。
あなたのワンちゃん、しっかりと足を踏ん張れていますか。
加齢による筋肉量の変化や体力の衰えなどによって、うまく踏ん張れないという状態になることもあります。
また、関節炎や神経疾患などの病気がきっかけで、踏ん張りがきかなくなる事もあります。
踏ん張れなくなると、何が問題になってくるのでしょうか。
・滑りやすい。ふらつきやすい。こける。
・排泄のポーズがとりにくい。
・排泄時の腹圧がかからないためうまく排便できない。
・起立時に時間がかかる。
・散歩中でもすぐに伏せの姿勢になる。
・歩行が困難になってくる
・運動量が低下=筋肉量低下がすすみ、介護が必要になる可能性も。
放っておくと、将来寝たきりの状態になってしまうこともあります。
愛犬の踏ん張りがちょっと弱くなってきたかも、と思ったらすぐに対策を立てましょう。
その1)まずは、痛みや病的な原因が無いかどうか、必ず診察を受けましょう。
その2)適度なエクササイズ
筋肉の低下を防ぐための運動やお散歩を見直してみましょう。
オスワリ&立ってなどのコマンドを使ったエクササイズもおすすめ。
その3)リハビリテーション
弱った機能を回復させるためのリハビリテーションが効果的な場合も多いです。
マッサージやストレッチ、バランス運動など様々なリハビリがあります。
その4)サプリメントや食事の見直し
口から摂取する栄養で体は作られています。様々なサプリメントや食事がありますので、今の状態にあったものを選んでもらいましょう。
その5)サポートグッズをうまく使う
滑り止めマット、滑り止めのついた犬用の靴や起立補助のためのハーネス、姿勢保持を補助するようなグッズもたくさんあります。
うちの子、最近踏ん張る力が弱くなったかも・・と思ったら、すぐに当院にご相談ください。
将来、出来る限り自分の足で最後まで歩けるように、気づいた時から身体のメンテナンスを始めていきましょう。
踏ん張りが弱くてかなり進行してしまった場合や介護が必要な場合も、少しでも快適に楽しく日常を過ごすための提案はたくさんあります。
どうぞ、いつでもご相談ください。
2021.09.25
リハビリテーション
こんにちは!動物メディカルセンター箕面 動物看護師の藤木です。
今回は愛犬のスパークと始めたノーズワークというトレーニングをご紹介したいと思います。
ノーズワークとは
鼻を使った遊びに近い宝探しトレーニング
子犬から老犬、目の見えないワンちゃんやリハビリにも活用されています。
〇こんなワンちゃんにおススメ
・自立心、独立心を育てたい
・集中力を鍛えたい
・シニアでもできる運動がしたい
・怖がりで病院に入れない
・お出かけ自体がストレス
そんなワンちゃんにはとても効果的なトレーニングです!
人間の100万~1億倍といわれる嗅覚を使って
ボックスレッスンを6回終了すれば次のレッスンにレベルアップ!
次にオブジェクト(プラスチック)レッスンを月に1回ステップ1~ステップ6まで
(オブジェクトレッスンの詳細はまたの機会にさせていただきます)
1年かけてゆっくり行うトレーニングです。
スパークは初めてなのでステップ1からスタート!
2020.06.16
リハビリテーション
こんにちは。動物メディカルセンター:行動診療科&リハビリテーション担当の小池です。
先日、朝起きて着替えようとした時のことです。
まず、先生からリハビリ必要との指示書が出て、担当の理学療法士さんが決まりました。(若くて可愛い女性です。)
一番最初にすることは、リハビリ計画書の作成です。
どこが痛いか。
どのような時に痛いか。
日常の動作について。
痛みの程度。
可動域の測定。
などを調べて、メニューを決めます。
あら、やっぱり動物の場合と一緒ですね。
動物メディカルセンターでも、最初に獣医師の診断が必要で、治療の一環としてリハビリの指示が出ます。
そして初回、リハビリ計画書を作成するために、
可動域の測定
筋肉量測定
起立姿勢
オスワリの姿勢
歩き方(常歩と速歩)
痛みの有無
などを確認します。
動物の場合は、本人が直接困っていることを話してくれないので、飼い主さんからの情報と客観的な行動の観察によって、状態を把握し、リハビリ目標を立て、細かいプログラムを作成します。
回数を重ねると、最初は警戒していた子も少しずつ心を開いて、リハビリを楽しみにきてくれる感じになります。
そして、そんな愛犬・愛猫が頑張っているところを見て、飼い主様も頑張って通い続けてくれるのかなと日々感じています。
動物たちはみんな素直で純粋なので、慣れてくるとストイックなほどに頑張ってくれます。
その中で、前回できなかったことが出来るようになると、飼い主様や施術している私自身が感動するんですよね。はあ~。(思い出してまた感動している。)
ところで、私の受けているリハビリは、理学療法士さんが動かしてくれる徒手リハビリと、自分で行う運動療法、電気治療、温熱療法です。
というわけで、私の○十肩のリハビリも、もうしばらく通って勉強させてもらうつもりです。読んでいただいてありがとうございました。
2018.04.14
リハビリテーション
こんにちは。動物メディカルセンターの小池です♪
4月も半ばになり、当院も春の予防で来院される方でにぎわって来ました。
急に暖かくなって、ぼちぼち蚊も飛び始めてきましたので、これからの行楽日和、ワンちゃんとのお出かけを考えている方は早めに予防を済ませておくと安心です。
近年は犬だけでなく、猫もフィラリア症にかかることがわかっています。
かかると重症化しやすい猫のフィラリア症、今まで予防してなかった方も今年からはしっかり予防して、長生き目指しましょう!!
さてさて、今回の本題は予防の話ではなく、実はリハビリテーションに関するお話です。
現在、茨木病院の待合室では、1月に好評だったペット参加型のリハビリ体験教室の動画を放送していますが、それをご覧になられた飼い主様から、『こんな立派なリハビリルームがあるのねえ~。』というお声を時々いただきます。
皆さんご存知でしたか!?箕面病院と茨木病院の2Fは、広いリハビリテーションルームがあって、水中トレッドミルや様々な運動療法のリハビリテーション設備が整っています。そこでは毎日、数頭のペット達(犬も猫もいます!)がリハビリを頑張っているのです。
動物のリハビリテーションは、近年少しずつ認知されてきましたが、実はまだまだ新しい分野です。2007年にアメリカで動物リハビリテーションを学んだ獣医師や関係者が発起人となって日本動物リハビリテーション集会が開催され、日本動物リハビリテーション研究会(現学会)が発足したのが始まりです。 当院では、整形外科のリハビリテーションを必要とする動物たちを多く診察してきたため、もっと以前から院長の指導のもとにリハビリテーションを積極的に行ってきました。
リハビリテーションって、単に足が動かないからマッサージするとか、歩けないから水中で歩行訓練するとか、そういった単純なエクササイズではないんですよね。その動物の病態や運動機能、神経機能などの評価をきちんと把握した上で、安全に慎重に快適に行う必要があるので、同じように見えても、個々の目的は異なっていたりします。つまり、リハビリプログラムは患者個々の完全なオーダーメイドでの作成になります。リハビリテーションに深く関われば関わるほど、奥が深い!勉強することだらけです。
そこで動物メディカルセンターを代表して私と看護師長の中村の2人が、アメリカのテネシー大学公認CCRP (Certified Canine Rehabilitation Practitioner) の認定取得に挑むこととなりました。2014年のことです。このプログラムは、テネシー大学大学院で獣医師・理学療法士・動物看護師のために開催されているカリキュラムと同様のもので、犬のリハビリテーションの臨床応用への理論的基礎を習得した認定となる資格です。
次の段階として、全ての講義を受講したら、自身でリハビリテーションを行った5症例のケーススタディを作成することになります。ここがまず第1の関門です・・。
リハビリテーションのことに興味がお有りでしたら、いつでも声をかけてくださいね。
リハビリルームってどんななの?と言われれば、いつでも喜んでご案内いたします!
2017.11.25
リハビリテーション
こんにちは。
動物メディカルセンター箕面統括病院 動物看護師の中村です。
11月8日(水)放送の関西テレビ『報道ランナー』ご覧いただけましたでしょうか?
動物リハビリテーションについて『せんにゅう!』で特集して頂き驚くほどの反響をいただきました。
多くの皆様に動物リハビリテーションの重要性が伝わり、
多くの小さな家族に安息な未来を提供できるようになることを願って日々精進しております!!
さて、今回はあの時TVには出なかったネコちゃんのリハビリについて少しご紹介いたします。
そうなんですよね、猫ちゃんもリハビリしますよ~
あの時に撮影してもらっていたんですけど、カットされちゃいましたね。
なので!ここで一挙ご紹介~
猫ちゃんのお名前は莉子ちゃん
ものすごい可愛くて、ものすごい人好きで、ものすごいおとなしいです。
猫ちゃんのリハビリは、猫ちゃんオーナー様ならお解りのように、猫の特性上非常に難しいです。
お水を怖がってパニックになったり、音にビックリしてケガをしたり、思うような運動をしてくれなかったり…などなど、ワンちゃんよりも行動学的に困難を強いられます!
でも、莉子ちゃんは写真のようにリハビリが大好き
早く早くと言わんばかりにお水の中に入ります。
莉子ちゃんは実は保護猫ちゃんです。
お外で生活していた時に交通事故にあったようで背中の骨と足の骨に異常があり、後ろ足は不完全麻痺。
機能回復の為、筋肉UPの為にリハビリに通ってくれています。
水の中での運動、水中トレッドミルが中心のリハビリプログラムになります。
準備運動でのマッサージをして、お水に入ります。
日常生活ではまだ起立位(立ち上がった姿勢)は自力でできませんが、水の中では元気に歩いてくれます。お尻も上げて後ろ足も弱いながらもゆっくり上げて、前進しています。
飼い主様よりリハビリを始めて活動的になり、さらに便の出が良くなったと伺っています。
今はリハビリを始めたときよりも体幹のバランスが良くなってきているので起立位も少しの間なら保持できるようになっています!
莉子ちゃんはマッサージの時間は静かにしていますが、なぜかお水に入ると歌ってくれます
とっても高音でリズミカルなんです!
よっぽど楽しいのでしょうね!
いかがでしたか?
とっても珍しい猫ちゃんのリハビリテーションのご紹介でした。
最後に内緒話中の私たちの1ショット♬
え?話の内容ですか?…内緒です♬
次回のブログは12月9日(土)更新です。
2017.02.25
リハビリテーション
こんにちは。動物メディカルセンター(箕面病院)看護師田中です。
今日は椎間板ヘルニアのリハビリについてお話ししたいと思います。
特に多い腰椎ヘルニアの手術をしたワンちゃんのリハビリをご紹介します。
モデルはダックスフンドのバロンちゃんです。
ダックスフンドは、もっとも椎間板ヘルニアになりやすいといわれています。
バロンちゃんは急に後肢が立たない動かない。
という主訴で来られました。
まず一般身体検査で麻痺の状態を診て、レントゲンを撮り、椎間板ヘルニアの疑いがあったので、次の日にCT造影検査で圧迫の程度や部位の確定をしました。
そしてその日に手術を行い、神経の圧迫部位を取り除きました。
リハビリは術後3日までは患部の炎症を引かせてさらに疼痛緩和のため冷やすことから始めます。
次にマッサージ、ストレッチ、補助して立たせて足を正常な位置にし立つ感覚を取り戻していきます。
そして関節を動かしていきます。関節は動かさないと固まってしまい、筋肉も衰えてきます。
自分では動かせないので私たちが自転車を漕ぐように動かしてあげます。
そして後肢に少し負荷をかけるため、前肢を少し上げます。
そうすることで筋肉が減るのを防ぐことが出来ます。
立たせた状態でキープ
歩けるようになったら、足の上げ下げをスムーズに、しっかり出来るように、キャバレッティレールの上を歩きます。
患部の炎症が引けば水中トレッドミルで泳ぎます。陸上で動かすよりも浮力があるので足の負担が少なく効果的です。
水中トレッドミルは徐々に水の量を減らし、しっかり歩いていくことで、筋力をUPさせることもできます。
リハビリはその子その子の性格、症状にあったプログラムを考え行っています。当院では診断、治療、リハビリまでトータルケアを行っております。
椎間板ヘルニアは発症部位によって症状も麻痺の程度も様々です。
そしてもし突然何か後肢がおかしい。と感じたらすぐ病院に連れてきてください。
何かお困りの事があればいつでも何でもご相談下さい。
次回は3月11日(土)更新です♪
2015.11.30
リハビリテーション
こんにちは。動物メディカルセンター箕面の動物看護師 中村です。
動物のリハビリテーションは、入院看護の中でも重要な看護介入です。さて、今回は家族の皆様が本当に頑張ってくれたリハビリテーションの1件です。
チャッピーちゃんは13歳の高齢ダックス・フントの男の子。1月のお正月早々に、頸椎椎間板ヘルニアと診断を受けました。前脚は立てず、首も痛くて動けません。家族は手術を決意し、早期に手術を行いました。集中治療及び、献身な看護&リハビリを経て、元気になったチャッピーちゃんは週1回のリハビリを欠かさず、約半年間頑張って通ってくれました。リハビリを卒業したチャッピーちゃん、元気に毎日楽しく家族と過ごしていましたが…。7月の末日ごろに来院。また前脚がふらつき出した、右前脚と右後脚もおかしい。状態は日に日に悪化して行きました。お正月に手術をしたばかりのチャッピーちゃん家族は不安でいっぱいでした。
そこで、当院院長は頸椎だけでなく、脳の異常も考え、当院で導入したCT検査を実行することとなりました。結果、脳を圧迫・占拠する病変を発見。院長はじっくり時間をかけて家族との話し合いを行いました。家族は少しでもチャッピーちゃんの身体が楽になるのであればと手術を決意。
大手術を耐え抜いたチャッピーちゃんは、手術後数日間は絶対安静でしたが、少しづつご飯を食べることができ、家族が面会に来ると尻尾を振るようになりました。
身体は右半身が麻痺している状態で、身体を起こしても右へ倒れてしまいます。
さあ、これからリハビリが始まります。
チャッピーちゃんのリハビリプログラムは
① 使っていない筋肉をほぐしながら、意識させるためのマッサージ
② ゆっくりと左半身へのストレッチ
③ 四肢を正しい位置に戻すための運動
④ ボールを用いてのバランス感覚強化運動
⑤ 使った筋肉を休めるマッサージ
徐々に全身の感覚を意識し出すチャッピーちゃん。自分で身体を支えられるようになってきました。リハビリ開始5日目には四肢を踏ん張って、立ち上がろうとしてくれました!家族の励ましもあり、頑張るチャッピーちゃん。ゆっくりゆっくり右脚にも力が戻り出しました。
なんと、退院する2週間後には支えてもらえれば、ゆっくりと歩くことができるようになりました‼
それからも家族みんなでリハビリに頑張って通ってくださいました。手術から約1カ月後には以前のように元気に歩けるようになりました♪いろんな人に声をかけられて、そんな大きな手術をしたとは思えないくらい元気でビックリされたと家族の皆様からお話をいただきました。家族みんなの笑顔が本当にうれしかったです。
犬、猫のリハビリは大阪の動物メディカルセンター(箕面、茨木、高槻)へお任せください。