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2015.08.26

ペットの病気

ケガの治療

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

子どものころ、転んでひざを擦りむいてお母さんに消毒してもらったり、学校の保健室で手当てしてもらったり、なんていう思い出、誰にでもありますよね。
擦りむいた個所に消毒液をつけて、ガーゼを当てて。しばらく経つと、かさぶたができてきて、思わずはがそうとすると「治ってきてる証拠だからはがしちゃダメ!」と注意された方も多いんじゃないでしょうか。

当時はコレが常識でしたが、最近では少し事情が変わってきています。
それは、人間の治療だけでなく、みなさんの飼っているワンちゃんたちがケガをしてしまったときにも言えることです。

例えば消毒薬は、細菌はやっつけてくれるのですが、同時に元々体にある細胞にまで害を及ぼしてしまいます。傷を治そうと働く細胞にまでダメージを与えてしまえば、当然のことながら、治癒が遅れてしまうわけです。
ですので、やたらに消毒液をかけるのではなく、まずは水道水で傷口を洗い流すことが大切なのです。

また、傷口から出てくる液体には、ケガを治そうとする成分が含まれています。となると、これを張り付けたガーゼに吸わせてしまうことはいいことではないわけです。
こういったことを防ぐため、大型犬の床ずれの治療などで行うのですが、サランラップで覆って湿潤環境を保ち、体が持っている自然治癒力に頼る方法もあります。

昔は正解だったことが、今では間違いになる。
こういうことが起きると少々混乱してしまうと思いますが、もしお家でペットがケガをしてしまったら、傷口を水道水で洗って動物病院に連れていくのがベストだと思います。

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