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2021.07.10

歯科・デンタルケア

残りものには・・・福はないです!?

こんにちは
動物メディカルセンターの獣医師 高橋です。
最近の診察から思うことは、「コロナ禍でワンちゃんを飼う方が増えている!」ってことです。ご家族が増えるって良いことだと思います。

子犬ちゃんや子猫ちゃんとお家でいっぱい遊んでいますか?
遊んでいるときは、手だけでなく、お口も遊びに使っていると思います。
その歯、どうなっていますか?

お口の中を見るのは難しいかもしれません。
しかし、意外と多いのが歯の異常です。歯周病や歯折れ以外にも、チワワやマルチーズなど
の小型犬にある病気として 『乳歯遺残』があります。

犬や猫も人と同じように、子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)に生え変わります。
だいたい4か月齢ぐらいから生え変わりが始まります。そして7か月齢ぐらいには終えています。
生え変わりは、永久歯が乳歯の歯根を吸収しながら押し出すように出てきます。この吸収が十分に行われず、乳歯が残ったままのことを乳歯遺残といいます。

当院での例
水色に囲まれている所に注目!

細く湾曲しているのが乳歯で、
その隣にあるのが永久歯になります。

ここでよく見てもらいたいのは、乳歯と永久歯の間です。
どうでしょうか?異変が何かわかりますか?

異変は、乳歯と永久歯の間に黄色く写っているものです。

乳歯と永久歯の間はとても狭く、デンタルケアが難しいため、歯石が付着しやすい場所になってしまいます。歯石は歯周病菌が繁殖しやすい場所となり、歯周病を起こしやすくなります。また、血液を介して菌が全身へ回ることによって心臓病や腎臓病などを引き起こすこともあります。

歯の汚れって、実は怖いんです・・・。

その他に、乳歯遺残によって永久歯の生えてくる場所がずれます。
それによって噛み合わせが悪くなる「不正咬合」が生じます。
不正咬合によって、食事が取りにくかったり、飛び出た歯によって歯肉炎・歯周炎などが生じたりします。

さて、上記の子の乳歯を抜いた直後です。

抜いた場所に穴が開いていますが、数日もすると

穴もふさがり、きれいになっていますね!

では、自分ちの子のお口を見てみましょう!
乳歯・・・残っていませんか!?

7か月齢を過ぎてもグラつきのない乳歯は、ほとんど自然には抜けません。
上記のように、残しておいても福は来ませんので、抜歯をしてあげることをお勧めします。

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