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2026.01.10

シニア・介護についてリハビリテーション外科・整形外科

ペットのリハビリ事情

こんにちは。しつけとリハビリテーションを担当しております小池です。

昨年の11月末に、これからシニアを迎えるワンちゃんネコちゃんのためのホームリハビリテーションセミナーを行いました。20家族以上の飼い主様とわんちゃんねこちゃんが参加してくださって、大好評に終えることが出来ました。

ここ近年ペットのリハビリテーションに対する関心が高まっています。
リハビリテーションの目的は、『本来あるべき状態への回復』『失われた機能を取り戻す』ですが、ここから発展して『ペットと飼い主の家族らしい生活をとり戻す』ことと考えていただければ、ご家族のライフスタイルに合わせて、必要なオリジナルのリハビリテーションが組み立てられるのではないかと考えています。

では、リハビリテーションが必要になる時ってどんな時でしょうか?

1) 神経疾患や関節疾患、骨折など

手術を行った場合はもちろん、内科療法の場合もリハビリテーションは必要です。適切な時期に適切なリハビリを行うことで日常生活を取り戻せる確率が高まります。

2) シニア期の筋力低下や関節炎

犬も猫も高齢になるにつれて、筋力低下やバランス感覚の衰えなどにより、足が開いたり滑ったりして立ち上がりにくくなったり歩行困難になりやすくなります。また知らないうちに関節炎が進行していることも良くあります。
『あれ、若い時と変わってきたな』と感じたら、ホームリハビリテーションを取り入れて、日常生活の動きを維持するサポートをおすすめしています。

そこで、今回は2025年度に私が実際に担当したリハビリテーションのうち、『疾患別に多かったベスト5』を発表します!(延べ回数で計算。)

★第5位★ 同率3疾患 『股関節形成不全の内科的リハビリ』『骨折手術後のリハビリ』『脊髄梗塞による運動機能改善のリハビリ』

それぞれの症状の深刻度に合わせて個々のリハビリテーションプログラムを作成します。通っていただく回数も頻度もそれぞれで、オリジナルなリハビリテーションを試行錯誤しながら行っています。

★第4位★ 『大腿骨頭骨頸部切除術(FHO)後のリハビリ』

FHOは主に、股関節形成不全や股関節脱臼、若いトイプードルに多いレッグ・ペルテス病などで起こる関節の慢性的な痛みを取り除くために行われる手術です。術後は手術した足に体重を乗せて踏ん張るまでに時間がかかることが多く、痛みなく日常生活を送れるようになるためには、リハビリテーションが重要です。

★第3位★ 『術脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)後のリハビリ』

TPLOは膝関節内にある前十字靱帯の断裂に対しておこなわれる手術です。前十字靭帯が断裂すると膝の不安定性と痛みにより、後肢を挙げる、体重をかけられないなどの症状を引き起こします。TPLOは、関節の角度を調節することで膝関節を安定させる方法です。術後のリハビリでは、関節可動域の制限を防ぎ、両足の筋肉量の差を縮小させ、短期間にバランスの良い歩行が可能になることを目指します。

★第2位★ 『シニアリハビリ』

ここ1~2年で急に増加しました。昨年は1年間で97回のシニアリハビリを行いました。若い時に比べて困難になってきた動作があれば、衰えている筋肉やバランス感覚を鍛えるリハビリテーションを行い、また家でできるホームリハビリメニューを指導します。マッサージやストレッチ、ボールエクササイズなどのバランス運動が主流ですが、コマンドを使った動きや、積極的なウォーキングなどのエクササイズも行っています。

★第1位★ 『椎間板ヘルニアのリハビリ』

椎間板ヘルニアというとミニチュアダックスフンドのイメージが強いかと思いますが、実際にはダックス以外にもトイプードルやフレンチブルドッグ、ペキニーズ、コーギーなどの様々な犬種で見られます。主に外科手術後のリハビリテーションが中心ですが、内科的治療後のリハビリテーションにも対応しています。神経の損傷は回復に時間がかかることも多く、早期からの適切なリハビリテーションが不可欠です。昨年は、110回の椎間板ヘルニアのリハビリを行っています。

さあ、どうでしたか?
2位にシニアリハビリテーションが入ってきたことで、これまでの手術後に行うものというリハビリテーションのイメージが変わったのではないでしょうか。

【文責】小池美和:テネシー大学公式認定CCRP取得愛玩動物看護師
リハビリテーション科/行動診療科担当

リハビリについてのご相談は、お気軽に当院まで。

次回のブログ更新は、2月14日予定です。お楽しみに。

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