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2015.08.13

外科・整形外科

お膝のお皿

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

われわれには、俗に「ひざのお皿」と呼ばれる骨があります。
みなさんもご自分のひざを触ってみれば、丸いお皿状の骨があることが分かると思います。これは、正式には「膝蓋骨」という骨で、ヒトの場合は5cm以上ある大きなものです。

この骨、ワンちゃんたちのひざにだってあるんです。
人間の膝蓋骨と同じで、ひざ関節を安定させてくれる重要な役割を持っています。
当然、ワンちゃんは人間よりも体が小さいですから、膝蓋骨も小さめです。大型犬でも2cmくらい、小型犬になると5mm程度しかありません。

人間の10分の1程度のサイズの“お皿”の小型犬には、実は膝蓋骨脱臼が多く見られます。
日本では小型犬が人気ですから、膝蓋骨脱臼をしているワンちゃんがとても多いと言われているんです。

脱臼に気付いてあげられれば、病院で治療を受ければいいのですが、厄介なことに痛がらないワンちゃんも少なくありません。つまり、われわれ飼い主たちが“お皿”の脱臼に気付いてあげられないことが多いということなんです。
そのときは痛くなくても、長時間放置しておくと、関節軟骨の障害や骨の変形、十字靱帯や半月板の損傷が起きる可能性は高くなってしまいます。

ある日突然、靱帯が切れて緊急手術……なんてことにならないように、ワンちゃんのひざの状態を気にしてあげてください。
できれば、定期的に獣医師の診察を受けて、状態を確認しておくのがいいでしょう。

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