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2021.02.28
ペットの病気
こんにちは。動物メディカルセンター(高槻・茨木) 動物看護師・トリマーの松田です。
過去のブログで家族の一員のコザクラインコのわたをご紹介させていただきました。
お誕生日からまる4年が過ぎますが、発情問題による産卵は阻止できており健康面でも問題なく、ご機嫌に過ごす毎日でしたが2月の寒さが続くある日・・・
朝からぷくりっと膨らんで目を、うすらうすら閉じたままで明らかに様子がおかしいと感じました。
コザクラインコは普段鼻の穴が隠れて見えないのですが鼻の周りが濡れて見えていること・呼吸がいつもと違っていること・からだが冷たい・膨らんで大人しい・・・ひとまず保温と酸素吸入をおこないました。
小動物の体調変化は突然に目に見えて症状が出て油断が禁物です!
この日、ドクターに診てもらえて手厚く見守っていただけたことが体調を悪化させずに済みました。
体調が落ち着くまで詳しい検査は進められないまま酸素吸入とネブライジングで呼吸と鼻の炎症をおさえてもらいました。一日しっかりと温度管理と酸素吸入・水薬で経過安静にストレスがかからないように見守りました。
~その後の診断は気嚢炎~
原因の確定はしませんでしたが急激な温度変化によるものかもしれません。
わが子はこの気嚢炎により呼吸と体温の調整が低下していました。
↑ 普段使い慣れたミニケージ内で動きの制限と保温管理中
鳥は気嚢(きのう)と呼ばれる空気の袋をいくつか持っていて気嚢は呼吸を助けることはもちろんですが体内の熱処理機能もあります。からだの温度管理と呼吸に大きく影響する器官です。
気嚢は効率的な保温にも役立っており、暖かい空気を吸い込めば内臓が温められ体を温めることができます。
暑がっているとき →脇をあげて翼から熱を出すようなポーズをとり、くちばしを半開きで荒い呼吸をする。
寒いとき →羽全体を膨らませじっとしていることが多くみられる。
↑ ネブライザー中
季節や飼育下・鳥種にもよりますが参考まで・・・
幼鳥25~30℃
成長20~27℃
病鳥28~30℃
また、室内で中毒症状を引き起こすものもいくつかあります。
↓ 普段の元気な容姿
またご紹介していきたいと思いますがコロナウイルスの問題もあり消毒などこまめにされているかと思います。中でも次亜塩素酸ナトリウムには注意ください。
高濃度の使用や酸性物質との混合で塩素ガスが発生すると鳥の気管粘膜の炎症でくしゃみや鼻みず、呼吸困難などを引き起こします。鳥さんが室内にいる場合はご注意くださいね。
↓ 普段使いのケージの保温
内側は保温シートを縫い付けて暖かさをキープできる
ケージカバーを作成しました。
就寝スペースである室内のバードテントも季節で布地を
変えて使い分けています。
鳥さんに限らずこの時期に鼻や喉の違和感や疾患が多くなります。
室内外の温度差に注意して適度な温度管理をしてあげてください。
わが子は一時的な炎症症状でその後おちつきましたが季節の変わり目は特に注意して見守りたいと思います。
次回は3/14UP予定です。