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2021.02.13
シニア・介護について
こんにちは。
動物メディカルセンター箕面病院、動物看護師 中村です!
私は当院でリハビリテーション科に所属する動物看護師です。
最近、高齢犬に対する「シニアリハビリ」を希望する患者様が増えてきたと感じています。
では、シニアリハビリを詳しくご紹介していきましょう!
まずは、診察において獣医師に身体検査をしてもらいます。
高齢期に入ると、
免疫力の低下、肺の機能低下、循環器の疾患、ホルモンバランスの不調
など様々な変化が起こります。
年に1~2回の健康診断を受けられている方は安心ですね。
運動機能だけでなく、基礎体力を評価し、
「生活の質の維持」がどのようにサポートできるかを判断するためにはとても大切なことです。
獣医師からシニアリハビリを受けても良いと診断がでれば、
次は担当の動物看護師による「日常生活動作」の確認をします。
「日常生活動作」の基礎は、食事・整容・更衣・排泄・入浴・移動です。
食事…食事を食べているときの姿勢は?嚥下はどの程度できているか?飲み込みも筋力低下により弱くなります。
整容…動物は自分の身体を舐めるという行動をとります。どこまでできていますか?
更衣…服を着せたり、ハーネスや首輪など装着したり、姿勢の変化はどうですか?
排泄…排尿・排便姿勢はどこまでできますか?
入浴…トリミングなどでの体力は保てていますか?姿勢は維持できますか?
移動…ちょっとした段差などでつまずくことはないですか?
自分の寝床まで自分で歩いて行くことができていますか?
次は姿勢の確認、筋肉量測定、関節可動域の確認をおこないます!
姿勢は日常生活のクセや運動器の障害によって変化します。
常に一緒に生活していると分からないくらいの変化は積み重なって、
クセのある歩き方や使いやすい方の肢だけ使い、筋肉量に差が生じます。
総合的に評価をし、獣医師と相談しながら
適切な運動療法の提示と日常生活のケアの提案をおこないます。
たとえば、しっかり運動をおこない筋力・体力アップを目標にする子もいれば、
軽い運動とストレッチ&マッサージ、そしてお家での生活アドバイスをおこなう場合もあります。
さらに、簡単なマッサージのみでお家での介護のアドバイスを重点的におこなう場合もあります。
「ロコモティブシンドローム」って聞いたことありますか?
ロコモティブシンドロームとは、英語で移動することを表す「ロコモーション(locomotion)」、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ(locomotive)」からきた言葉で、運動器の障害によって移動機能の低下を起こした状態のことです。
運動器とは身体を動かすために関わる組織や器官のことであり、
骨・筋肉・神経・腱・靭帯・関節などから構成されています。
人医療では、運動器の健康を長く保つために、
ロコモティブシンドロームを予防するための運動習慣が様々に提案されています。
現在、リハビリ頑張っています!ラブラドールレトリバーのリリちゃん。今年で18歳
私はワンちゃんや猫ちゃんたちも人と同じように運動器の健康を長く保つために、
適切な運動習慣をおこなうことで健康寿命は長くなると思いますし、快適な老後を過ごせると思っています。
さて、ウチの子の状態はどうなのだろう?と少しでも気になった方はいつでもご来院ください。
当グループ病院どこでも「シニアリハビリ」に対応しております。
お気軽にスタッフまでお問い合わせくださいね。
次回のブログ更新は…2月27日(土