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2022.06.25

予防のこと

ボンちゃんとマイクロチップ

高槻病院と茨木病院の獣医師宮嶋です。

 

今回は、4年半前に茨木病院の看板犬になったボンちゃんをご紹介します。

ボンちゃんは、大阪の南部の山間部で保護されたそうです。とてもとてもお利口さんで可愛らしく、人にとても慣れていたため、保健所から茨木病院に引きとることになりました。

初めて私と会った時も、シッポを振って、すぐにゴロンと横たわりお腹を見せて、撫でさせてくれました(笑)

ボンちゃんが保護されるまでどんな状況であったかはわかりませんが、人慣れしているので、私は愛情を持って人に育てられていたと信じています。右の前足が不自由で、人でいうと手のひらの骨が骨折し、指にあたるところが脱臼をしていましたので、憶測を過ぎませんが事故にあったのかもしれません。フィラリア症にかかっており、こちらは治療できたのですが、前足に関しては、手術も行いましたが、ずいぶん以前に曲がった前足を完全に治すことはできませんでした。

今のボンちゃんは、たまに茨木病院の診察室にいて、病院に来てくれるワンちゃん、ネコちゃんを怖がることも威嚇することもなく、診察を見守ってくれています。

 

ところで、この6月より、動物保護のため、養子縁組、迷子防止や捨て犬・猫防止のため、犬猫の販売や譲渡に対して、マイクロチップ装着が義務付けられたのをご存知でしょうか。

 

マイクロチップは、犬や猫をはじめとするコンパニオンアニマルの個体識別を目的に、イギリスで1989年に使用されました。1990年からヨーロッパアルプスの犬ぞりレースで、レース犬の個体識別にも使用されたそうです。

 

ボンちゃんの体にあるマイクロチップは、レントゲン撮影で見ると背中の肩甲骨の上の辺りにあります。注射針を皮下にさして埋め込みます。約1.6mm×10.9mmの大きさで、生体適合樹脂でできています。

 

読み取り機リーダーで個体識別番号を確認でき、各機関に飼い主登録手続きをして完了です。

 

ボンちゃんも保護される前にマイクロチップが装着されていれば、違った生涯であったかもしれないと改めて思っています。

 

次回のブログは、7月8日予定です。

 

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