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2017.06.24
日記
こんにちは。動物メディカルセンターの獣医師 盛岡です。
来る7月14日(ないし)は『内視鏡の日』です。『内視鏡の日』は2006年7月、ヒトの医療において内視鏡医学研究振興財団が制定しました。その内視鏡は人医療だけではなく、獣医療においても活躍しています。
…おかたい前置きでしたが、今回は内視鏡を使って治療したワンちゃんのお話をしようと思います。
今回来院したのはフレンチブルドッグさんです。ゴム製のおもちゃを丸のみしてしまったとのことで当院を受診されました。
こちらがその時のレントゲン検査です。
黄色で囲った部位が胃ですが、その中におもちゃと思われる異物があるのが分かります。すぐに催吐処置を行って異物を吐き戻せるか試みましたがおもちゃは出てきませんでした…。
そこで内視鏡を行いました。これが当院の内視鏡です。
全身麻酔をかけて、内視鏡を胃の中に入れた所です。胃の中におもちゃを見つけました。
バスケット鉗子という異物をつかむワイヤーでおもちゃを掴みに行きます。
おもちゃを掴みました。このまま胃から食道に引っ張って口から出します。
胃から出て食道に引っ張っています。
胃の噴門(胃の入り口)で引っかかってしまい、なかなか抜け出せませんでした。何度かおもちゃを掴みなおして引っ張って…を繰り返したところ、なんとか通過しておもちゃを除去することが出来ました。
出てきたおもちゃがこちらです。
内視鏡でおもちゃを取ることによって、手術を行わずに済みました!ワンちゃんにとっても飼い主様にとっても負担が軽減される結果になりました!
今回のケースのような異物を取り出す以外にも内視鏡は活躍します。胃腸の粘膜の異常を確認することや、異常がある場合にはその場所から一部を採材して病理組織検査を行うことも出来ます。胃腸だけではなく呼吸器では鼻、のど、気管の中を、泌尿器では膀胱の中を確認することが出来ます。
そして、病院としても内視鏡の画像を飼い主様にご覧いただくことで納得のいく獣医療を提供できるというメリットもあります。
動物達にとって痛みやストレスの少ない獣医療、インフォームドコンセントに基づいた獣医療行う上では、内視鏡は欠かせない存在であると思います。