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2015.02.04

ペットの病気

僧帽弁閉鎖不全症

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

寒い冬は、インフルエンザが流行ったり、風邪をひきやすくなったりと、人間も様々な病気に気を付けないとならない時期です。
それは、もちろん皆さんの飼っているワンちゃんにとっても同じこと。特に、高齢の小型犬を飼っている方は「僧帽弁閉鎖不全症」に気を付けてあげてください。

これは心臓病の一種で、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がうまく機能しなくなるという病気です。
通常は血液の逆流を防ぐという大切な役割を果たしている僧帽弁が完全に閉じられなくなってしまい、循環不全を起こしてしまうのです。
こうなると、心臓のポンプとしての機能が徐々に低下していってしまいます。

この病気の怖いところのひとつに、初期症状がない場合が多いという点が挙げられます。
病院で聴診をすれば発見できるのですが、飼い主が普段の様子を見て察することが難しいというわけです。
病状が進行すると、咳が出たり呼吸が荒くなるといった症状が出ますが、一度悪くなった心臓が元に戻ることはありません。

特に冬場は、末しょうの毛細血管が収縮することで血圧が上がって心臓に負担がかかりやすい時期です。それまで頑張っていた心臓が耐えきれなくなり、病状が悪化するケースが増えてしまいます。

やはり、定期的に健診を受けてなるべく早く病気を見つけてあげることが肝要です。
また、普段から暖房のきいた屋内から外へ出すときに温度差が小さくなるように工夫したり、夜間はなるべく温かくなるように配慮してあげるなど、注意をするといいでしょう。

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