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2015.01.29

小型犬の股関節形成不全

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

みなさんは「股関節形成不全症」という病気をご存知でしょうか。
大型犬、特にゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーを飼ってらっしゃる方はよく知っている症状かもしれません。

股関節の発育・成長の異常で、簡単に言ってしまうと、太ももの骨(大腿骨)がはまるはずの骨盤のへこみが浅いままになってしまう疾患です。
痛みをともない、後ろ足の動きや座り方に異常が出てしまいます。

最初にお話した通り、大型犬に起こりやすということは、比較的多くの飼い主さんに認識されるようになってきています。しかし、小型犬だから絶対にかからないというわけではありません。そのことをしっかりと認識していただきたいと思います。

小型犬でこの病気が発見されにくい原因として、成長期の診断が難しいということもあるのですが、「膝蓋骨内方脱臼」の方に気を取られているケースが多いからではないかと思います。
膝蓋骨内方脱臼は、ひざのお皿が内側に脱臼してしまう症状ですが、この膝蓋骨内方脱臼の進行原因に股関節形成不全症が隠れているタイプが多い傾向にあります。

股関節形成不全の発見が遅れると、「変形性関節症」という病気に進行してしまいます。
すべての犬種に言えることですが、中でもトイプードル、チワワ、ヨークシャテリア、パピヨン、ジャックラッセルテリアなどの犬種は注意が必要です。
犬に異常があれば、できるだけ早く見つけてあげることがなによりです。定期検査を受けるなどして、ワンちゃんの快適な生活を守ってあげましょう。

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