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2022.08.13

ペットの病気

湿度が高くなってくると…

こんにちは。動物メディカルセンター獣医師の金崎です。

じめじめした厳しい暑さが続いていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

こうも気温や湿度が高い日々が続くと、どうしても気になることは熱中症かなと思います。

しかし、この季節に多い病気は熱中症だけではなく、外耳炎ノミダニの寄生細菌性及び真菌性の皮膚炎など、皮膚に関係した病気も多くなります!

今回の記事はその中でも真菌性皮膚炎、特に皮膚糸状菌症についての内容になります。

 

<真菌とは>

まず、真菌カビのことであり、主にマラセチア皮膚糸状菌による感染がとても多く見られます。

これらのうち皮膚糸状菌とはその名の通り糸状に観察される真菌です。

これはごく一般的にワンちゃんやネコちゃんの体の表面だけでなく我々ヒトの体の表面にも存在しています!

ヒトでは白癬や水虫、タムシと呼ばれている病気の原因菌ですね。

 

 

この真菌はじめじめした環境を好み梅雨から夏場にかけて繁殖しやすくなり、発症率も増加していきます。

 

<症状>

眼、口唇周囲手先、足先に見られる円形の脱毛皮膚の赤みです。そこに細菌が感染してしまった場合には、強い赤みや猛烈な痒みが発生することがあります。

 

 

<診断方法>

①ウッド灯検査…特別な光を当てて、光るかどうか見ます。

②被毛の顕微鏡検査…少しだけ体毛を取って顕微鏡で見ます。

③真菌培養…特別な培地で真菌を培養して、菌の種類を判定します。

 

①ウッド灯検査

②顕微鏡検査

③培養検査

 

<治療方法>

  • 全身療法…抗真菌薬や抗生剤などの飲み薬で治療します。
  • 外用療法…全身療法によって体毛が回復してきたら、毛刈りや抗菌シャンプーにより残った真菌を除去します。
  • 生活環境の清浄化…同居の子に感染させないために様々なところに付着した体毛を掃除し、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)を使い掃除しましょう。

アルコールは糸状菌に対しては無効です!

 

<予防として…>

日々のブラッシングや定期的なシャンプーはとても大切です!

これらにより皮膚にしっかりと触れて確かめてあげることで、皮膚疾患の早期発見へと繋がります。

更に、日々の食事をスキンケアを意識したものへ変更してあげたり、サプリメントを使用してあげることも皮膚の健康を保つ上ではとても重要です。

最後に、皮膚糸状菌はペットたちだけでなくヒトにも感染する人獣共通感染症です。

ペットたちへの再感染やヒトへの感染を防ぐためにも、積極的な治療と生活環境の清浄化が必要になります。この記事を読み、もしかしたら、と心当たることがあればいつでも当院にご相談ください。

 

 

 

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