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2016.03.19

ペットの病気

愛犬クロが病気になっちゃった~!

こんにちは、動物メディカルセンター茨木、看護師の堀部です。
今日は私の小さな家族のクロのことでお話しさせて頂きますね。

クロはトイプードルの9才の女の子です。
お散歩大好き、食べる事が大好き、いつも明るく元気一杯です。

ところがある日、突然・・・。
お腹を痛がり、体が熱く、口の中はカラカラ乾き。
え~? 「クロどうしたん?」  熱は~? 「え~!39.9℃」 なにこれ!?

慌てて病院へ(もちろん、動物メディカルセンター茨木に!)
私も病院会員に入っているので、時間外診療で(その日の当直は北尾先生でした!)
スタッフだから優先ではありませんよ(笑)

血液検査、レントゲン検査、エコー検査とすすみ、結果、診断名は『腎結石』でした。
左腎臓が1.5倍に腫れて。どんなに痛かったことか。ごめんね、クロ(涙)

今まで、春はフィラリア検査で、秋はドックで健康診断を受けていたのに、
昨年秋のドックを抜かしたばかりに“隠れた病気”に気が付かず。クロを苦しめてしまいました。

患者様には、
「元気でも7歳過ぎたら一度はドックを受けて下さいね。」
「隠れた病気があったら怖いので。」
「早期発見、早期治療ですよ!」っと、お伝えしていたのに。

まさにその通り、クロに“隠れた病気”が潜んでいました。
良く食べるし、元気だし。・・・油断しました。

この度のクロの病気で大反省です。

小さな家族。健康でいつまでも長生きしてほしいですね。

当院では、小さな家族の健康を守る病院会員制度があります。
予防はもちろん全て含まれています。
お口の健康を守るための処置や歯石除去、もしくはドック検査が含まれています。
「もしもの時の救急コールサポート」は診察が終わった時点から、
翌朝診察が始まるまで。安心サポートさせて頂きます。

小さな家族。健康でいつまでも長生きしてほしいですね。
詳しくはスタッフへお気軽にお尋ねくださいね。

追伸:おかげ様で、現在クロは、元気でピンピンしています!本当に健康に感謝ですね。

2016.01.25

ペットの病気

看護士直伝!お薬の飲ませ方 その1

こんにちは。動物メディカルセンター高槻の看護補助・トリマーの梅本です。
以前のブログで塩見看護師が目薬と点耳薬の使い方についてお伝えしましたが、
今回は、私が入院中の子の看護をしながら得た、内服のあげ方のコツをお伝えしたいと思います。

☆投薬のポイントは3つ☆
お薬を飲ませることを悟られないようにする。
(薬を持っていることを見られない、いつものようにさりげなく接する)
・嫌がる前に素早くすませる。
・お薬がちゃんと飲めたらしっかり褒めてあげる

【内服のあげ方】 (お薬の種類は基本的に3種類(錠剤、粉末、液体))

① 錠剤・粉末・液体どれでも
普段のフードに混ぜても薬ごと完食してくれる子
→そのままいつものフードに混ぜてあげて下さい☆

ラッキーですね♪

② 錠剤だと出してしまう子
→錠剤をスプーンなどで潰して粉末にしてから混ぜてあげる。
(市販で錠剤をつぶす”錠剤クラッシャー”もあります)

        

③ いつものフードに薬を混ぜると、フードも食べなくなる
→いつもと違った少量のスペシャルなフードの中にお薬を隠してあげる。
(例えば、プレーンヨーグルト、はちみつ、ワンちゃん用チーズ、缶詰などペースト状のフードなど)

④ 何に混ぜてもお薬が入っていると食べてくれない
(①、②、③以外)
→直接口に入れて飲ませましょう!

ガーン・・・そんなの無理と思っている飼い主さま、ご安心下さい。
次回は直接お薬をうまく投薬するコツ(④の実践編)を詳しくお伝えします。

お薬はしっかり飲んでくれてこそ効果を現します。
しかし、お薬もその子によって飲ませ方がいろいろあり、
なかなか上手く薬があげられない、どうやってあげたらいいかわからないなど
お困りの方もいらっしゃると思います。

是非、当院にご相談ください。

2015.12.14

ペットの病気

冬になると急増!おしっこトラブル 〜その2〜

皆さん、こんにちは。
北大阪ペットメディカルプラザ副院長の小松です。
前回に引き続き、冬に急増するおしっこトラブルのお話です。今日は治療についてお話しますね。

FLUTD(猫下部泌尿器症候群)の治療方法ですが、
①内科治療
②外科治療  に大別されます。

まずは、内科治療を試みます。
内科治療は、
①食事療法
②点滴(皮下点滴、静脈点滴)
③投薬(抗生剤、抗炎症剤)
などがあります。病気の症状、進行状態に応じて選択します。

しかしながら、
再発を繰り返す
尿道の損傷が重度
結石が大きく、閉塞解除が困難
など場合、特に雄猫では、内科治療のみでは改善せず、外科治療が必要になることがあります。

外科手術の方法は、陰茎尿道を切除し、骨盤尿道を引き出すことで大きく開く尿道を再建する手術を行います。
もちろん食事療法などは継続する必要はありますが、再発率を格段に下げることが出来ます。

通常のオス猫ちゃんのお尻回り

手術後の状態。
つまりやすい陰茎尿道はなくなり、おしっこが出やすくなっています。

手術が必要になる前に、出来ることはたくさんあります。
定期的に尿検査をしましょう!

当院は病院が苦手な猫ちゃんのために、猫専門診察時間を設けています。
病院苦手な猫ちゃんのために、猫の診察・治療に特化した獣医師・看護師が担当します。
お気軽にご相談ください。

2015.12.10

ペットの病気

冬になると急増!おしっこのトラブル 〜その1〜

「冬になると急増!おしっこのトラブル 〜その1〜」

皆さん、こんにちは。
動物メディカルセンター高槻、副院長の小松です。
めっきり寒くなりましたね。

さて、冬になると、猫ちゃんは非常に泌尿器系の病気にかかりやすくなります。
病気になったことのある猫1000頭の調査では、46.8%(なんと2匹に1匹!)の猫ちゃんが泌尿器系の病気になっています。医学的にはFLUTD(猫下部泌尿器症候群)と呼ばれますが図のような発生率です。

冬になると、
①気温の低下 ②運動量の減少
などが原因で、飲水量が低下します。
その結果、
おしっこの量が減少し、ミネラル分が濃縮されるため、膀胱結石が出来やすくなります。
ちなみに、ジメジメしてストレスのかかりやすい梅雨時は膀胱炎が増えます。
そもそも猫は砂漠地方原産の動物。そのため、水分を逃がさないよう、尿を濃くするという生物的な習性があります(このため、腎不全にもなりやすいのです)

症状は、
①血尿 ②頻尿、何度もトイレに行く ③尿の臭いが強い、きつい ④尿の色が濃い
放置すると、急性腎不全、尿毒症などが併発し、死にいたる事もあります。

発症時期は、1~6歳の比較的若い時期が多く、75%がこの時期に発症します。
また、雄猫は尿道が狭く(直径約1mm)、尿石症から排尿困難、尿路閉塞が発症するのはほとんどが雄猫です。

おうちの猫ちゃんに今挙げたような症状は出ていませんか?
排尿の様子を詳しくチェックしておくことが早期発見のポイントですね。
猫が大好きな私としては、この病気に苦しむ猫ちゃんを1匹でも減らしたいので早めの尿検査をおすすめしています!
次回は治療編です。

2015.09.25

ペットの病気

前立腺の病気

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

人間にしても、動物にしても、男女(オスメス)で体の造りに違いがあることは、今さら説明するまでもありません。特に、子どもを作るための器官というのは、雌雄でまったく異なるわけです。

そんな中のひとつに、前立腺というのがあります。人間にもありますので、ご存知の人も多いと思います。
ワンちゃんで言うと前立腺は膀胱のしっぽ側にある期間で、前立腺液を分泌して精子を元気にする役割を担っています。

人間の場合、加齢とともに肥大することが多く、日本人男性の8割が80歳までに前立腺肥大症になるとまで言われています。この傾向はワンちゃんでも同じで、高齢のオスによく肥大が見られるのです。
ほかにも、細菌性前立腺炎や前立腺膿瘍、前立腺腫瘍などの病気が前立腺には見られます。

どの病気でも、血尿やしぶり、前立腺の痛みなどの似た症状が見られます。
腫瘍ができていたり、感染が全身に広がれば、命に関わる事態にもなりかねませんので、血尿のような分かりやすいサインを見付けたら、すぐに獣医師に相談してください。

前立腺の病気の原因には、男性ホルモンが関わっていることが多くあります。
ですので、ワンちゃんの場合は去勢手術で予防することもできます。去勢手術をお考えの方は、どうぞ当院までご相談ください。

2015.09.18

ペットの病気

犬の腫瘍

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

日本人の死因として一番多いものはなにか。みなさんはご存知ですか?
正解は「がん」です。新聞やテレビでも報じられる機会が多いので、ご存知の方も少なくないでしょう。

では、ワンちゃんの死因として最も多い疾患はなんでしょうか。
実は、こちらも「がん」なんです。

イヌの腫瘍疾患の発症率は、年齢が上がるほどに上昇するというデータがあります。つまり、年老いたイヌの方ががんにかかりやすい傾向にあるということで、これは人間と同じです。
また、イヌの場合は犬種ごとの傾向というのもあります。
ゴールデン・レトリバー、パグ、ラブラドール・レトリバーの順に発症率が高いので、これらのワンちゃんを飼っている方は特に注意をしてあげてください。

どう注意すればいいかと言うと、全身を触ってしこりがないかチェックしてあげるのが基本です。
このときに、見逃しがちなのが口の中や肛門の周りです。こういった部分も忘れずにチェックしてあげましょう。
そのほか、鼻水や鼻からの出血は、鼻の中のがんの可能性もありますし、繰り返し起きる血尿は膀胱のがんが原因の場合もあります。

がんの治療においてなにより大切なのは、人間の場合と同じで、早期発見と早期治療です。
後回しにすると、取り返しのつかないことになることも十分に考えられます。なにか思い当たることがあったら、すぐに病院に相談するようにしましょう。

2015.09.11

ペットの病気

胃捻転

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

今日はちょっと怖い病気についてお話ししようと思います。
まぁ、病気はなんだって怖いのですが、今日のテーマである「胃捻転」はなかなかに油断のならない病気なのです。

「胃捻転」という病名を聞いたことのある方もいらっしゃると思いますが、その名の通り胃がねじれてしまう病気です。なにが怖いかというと、胃捻転は突然に発症するんです。

発症すると、胃の中で発生したガスが、ねじれた胃を膨らませます。
体の中にきっちり収まっているいつものサイズより大きくなるわけですから、周りの臓器影響を与えます。ほかの臓器は血流を止められてしまい、放っておくと機能しなくなってしまうのです。そのため、発見したらすぐに手術を行わなければなりません。
これが、ついさっきまで元気だったワンちゃんに急に起きるわけですから、恐ろしい病気というわけです。

胃捻転が起こりやすいのは、大型犬です。
特に、食後に激しい運動をした際に発症するケースが多いと言われています。
ですから、食事は運動後にあげるというのがリスクを減らす方法になります。
その食事も、1日に1回ではなく、数回に分ける方がいいでしょう。1回だけだと、ガツガツと食べてしまうからです。
特に暑い時期は、新鮮なお水も絶やさないようにし、なるべくこまめに飲める環境を作っておいてあげてください。

こうして、日ごろからリスクを下げておくことが大切です。
ただ万が一、急にお腹が膨らんだ、吐きたくても吐けない様子、などの異変が見られた場合は、胃捻転の可能性がありますので、すぐに病院に向かってください。

2015.08.26

ペットの病気

ケガの治療

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

子どものころ、転んでひざを擦りむいてお母さんに消毒してもらったり、学校の保健室で手当てしてもらったり、なんていう思い出、誰にでもありますよね。
擦りむいた個所に消毒液をつけて、ガーゼを当てて。しばらく経つと、かさぶたができてきて、思わずはがそうとすると「治ってきてる証拠だからはがしちゃダメ!」と注意された方も多いんじゃないでしょうか。

当時はコレが常識でしたが、最近では少し事情が変わってきています。
それは、人間の治療だけでなく、みなさんの飼っているワンちゃんたちがケガをしてしまったときにも言えることです。

例えば消毒薬は、細菌はやっつけてくれるのですが、同時に元々体にある細胞にまで害を及ぼしてしまいます。傷を治そうと働く細胞にまでダメージを与えてしまえば、当然のことながら、治癒が遅れてしまうわけです。
ですので、やたらに消毒液をかけるのではなく、まずは水道水で傷口を洗い流すことが大切なのです。

また、傷口から出てくる液体には、ケガを治そうとする成分が含まれています。となると、これを張り付けたガーゼに吸わせてしまうことはいいことではないわけです。
こういったことを防ぐため、大型犬の床ずれの治療などで行うのですが、サランラップで覆って湿潤環境を保ち、体が持っている自然治癒力に頼る方法もあります。

昔は正解だったことが、今では間違いになる。
こういうことが起きると少々混乱してしまうと思いますが、もしお家でペットがケガをしてしまったら、傷口を水道水で洗って動物病院に連れていくのがベストだと思います。

2015.08.06

ペットの病気

肥満について

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

「最近、太ってきちゃった」とか「ダイエットしなくちゃ!」とお悩みの方も少なくないと思います。見た目の問題もありますが、言うまでもなく肥満は健康面にも悪い影響を与えます。

それは人間だけの問題ではなく、みなさんの飼っているワンちゃんやネコちゃん、ほかの動物たちにとっても同じことです。
国内で行われたある調査によると、動物病院に来院したイヌの実に3分の1から半分が過体重、もしくは肥満であったという結果が出ています。

太り過ぎてしまうと、寿命が短くなってしまったり、糖尿病、脂肪肝、膵炎などの病気にかかる可能性が上がってしまいます。
ほかにも、十字靱帯断裂、股関節疾患、椎間板疾患などの運動器疾患も増える傾向にあります。運動不足になりがちな冬に太ってしまい、暖かくなって動きが活発になったときに起きやすい疾患です。

犬種別で見てみると、ミニチュアダックスフンド、チワワ、ヨークシャテリア、プードルの4種の肥満が目立っています。
また、去勢手術や避妊手術を受けたイヌやネコにも、肥満傾向が見られます。
これらに該当するワンちゃんネコちゃんを飼っている人は、特に注意して見てあげてください。

かわいいペットについ食べさせてしまう気持ちも分かりますが、結果的には彼らのためになりません。月に1回程度、病院で体重測定を行うなどして、しっかりと体重を管理してあげましょう。

2015.08.01

ペットの病気

糖尿病と歯周病の関係

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

人間の世界には、「8020運動」というものがあります。
これは、80歳のときに自分の歯20本が残っているようにしよう、という内容です。おじいさん、おばあさんになっても自分の歯でごはんを食べようということですね。

ヒトが歯を失う原因のひとつに歯周病があります。
最近では、歯周病と糖尿病の関係というものに注目が集まっています。
互いに密接な関係があることが明らかになっていて、糖尿病の人は歯周病にかかりやすかったり、歯周病があると血糖コントロールが上手くいかなかったりするのです。

実はこれ、ヒト以外の動物でも同じなんです。
みなさんのワンちゃんやネコちゃんも、どちらかの病気にかかることで、さらなる病気にかかったり、治りにくくなったりしてしまうのです。

歯周病になると、歯周病菌の毒素や炎症に関わる物質が増え、TNF-αというインスリンの働きを邪魔するたんぱく質が増えます。こうなると、インスリンの効き目が悪くなる、つまり糖尿病にも悪い影響を与えるというわけです。
逆に、糖尿病にかかると、体の抵抗力が弱くなるので歯周病菌に感染するリスクが上がってしまいます。

お口の中を健康、清潔に保ち歯周病を防ぐことは、糖尿病だけでなく、腎臓病や心臓病などを防ぐことにつながると考えられています。
ワンちゃんは、歯に歯垢や歯石がたまると、それが原因となって歯周病にかかります。お家での日ごろの歯みがきも大切ですが、それだけではどうしても不十分になってしまいます。定期的にデンタルクリーニングを受けることをオススメします。

2015.07.23

ペットの病気

腫瘍の良性と悪性

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

誰もが知っている恐ろしい病気に「がん」があります。
専門家でなくとも、命に関わる病気であることはご存知の通りです。
がんというのは、体の中に悪性腫瘍ができて起こるわけですが、では「悪性腫瘍」あるいは「腫瘍」というのはなんなのでしょうか。
人間だけでなく、みなさんのペットにも起こり得る病気ですので、この際に改めて腫瘍について考えてみましょう。

腫瘍というのは、ひとことで言うと、体の組織が異常に増殖することを指します。
腫瘍には悪性と良性があるのですが、悪性腫瘍はその名の通り、生き物の体にとって悪い働きをします。

一般に悪性腫瘍は増殖のスピードが速く、際限なく増えていきます。
また、ただ増えるだけでなく、周りの組織に食い込むように増殖して悪影響を与えます。がんで知られるように、体内の離れた場所に発生する「転移」もあります。

一方の良性腫瘍の場合は、悪性腫瘍の逆を行きます。
つまり、増殖スピードは遅く、見境なくどんどん増えるということはありません。また、周囲の組織に入り込もうともしませんし、転移することもありません。
要するに、体内の臓器や組織に悪い影響を与えない腫瘍ということになります。
ただし、場所によっては臓器や血管を圧迫してしまうことはありますので、その点は注意が必要です。

いずれにしても、悪性か良性かは専門家に判断してもらわなければなりません。
ペットのできものが気になるようなことがあれば、できるだけ早めに獣医の診察を受けてください。人間もペットも、早期発見がなにより大切なことに変わりはありません。

2015.07.15

ペットの病気

動物の点滴

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

皆さんは、点滴ってしたことありますか?
様々な治療で使われる方法なので、経験のある方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、ワンちゃんやネコちゃんの治療でも点滴を使うことがよくあります。病気の治療のほか、脱水症状を起こしたときなどにも行われたりします。

点滴では、水分はもちろん、電解質やビタミン類、糖質、アミノ酸などの栄養素を補給したり、手術中の血圧管理もすることができます。
ただ、人間と動物の点滴には、ちょっとだけ違いがあるんです。

人間の場合、血管に直接点滴液を送る「静脈点滴」がほとんどです。動物の治療では、この静脈点滴のほかに「皮下点滴」という方法を取ることもあります。
これは、皮膚と筋肉の間に輸液剤を投与して、毛細血管から吸収させるやり方です。そのため、点滴が終わった直後は背中にポコっとコブができたように見えます。
この方法ですと、血管を確保する必要もなく、10分程度の短い時間で行えるので、入院中でなくても行うことができるというメリットがあります。

その分、静脈点滴に比べると効果が緩やかだったり、投与できる量や薬剤の種類にも制限がかかってしまいます。そのため、症状が重く、緊急のケースでは、やはり静脈点滴になるわけです。つまり、症状や状況によって2種類の点滴を使い分けるということですね。

いずれにせよ、点滴しなければならない状態には陥らないに越したことはありません。
定期的に健診を受けるなどして、みなさんの家族であるペットたちの健康を保つように心掛けましょう。

2015.07.10

ペットの病気

心臓の雑音

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

お医者さんの診察、と聞くと、お医者さんが患者さんの胸に聴診器を当てている光景をパッと思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
調子が悪くて内科にかかれば、まずは心音をチェックされますよね。人間のお医者さんはもちろん、われわれ獣医師も同じように、聴診器を使って動物の心臓の音などを聞きます。

心臓の音、つまり心音は、心臓が収縮したときや拡張したときに動く、「弁」の出す音なんです。この弁は、心臓の中の血液が逆流するのを防ぐフタとして機能しています。

逆に言うと、心音に雑音が混じって聞こえる場合、弁の働きが悪くなっている可能性があるわけです。
心雑音にも、わずかな雑音から明らかな異常を示すような大きな雑音まで様々で、私たちは“Levine の6段階分類”という評価法をよく使います。
1度がいちばん小さな雑音で、集中していないと聞き逃してしまうような雑音です。そこから、数字が大きくなるに従って、雑音の音量も上がっていきます。
4度以上となると、胸壁を触るだけでも雑音を感じることができるほどになります。

もちろん、心雑音だけでは、どこにどんな異常があって、どの程度まで病気が進行していて、どんな治療が必要で……などと細かいところまでは分かりません。
実際には、レントゲンや心電図など、ほかの検査の結果と総合して診断を下します。ただ、この心音を聞くという行為も、そういった判断基準のひとつであるわけです。
特にシニア期のペットを飼っている方は、心臓の定期健診を受けるようにしてくださいね。

2015.03.26

ペットの病気

マダニが媒介する新しい病気

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

少しずつ暖かい日が増え、場所によっては桜もほころび始めてきました。
この時期は、ワンちゃんのお散歩が楽しくなる季節ですね。でも、春の訪れを待っていたのは人間や犬だけではありません。マダニも活発になってくるんです。

マダニは草むらなどに潜んでいることの多いダニで、ライム病やQ熱など、人にも犬にも共通する病気を運ぶ厄介者です。
特に最近では、2011年にウイルスが特定されたばかりの「重症熱性血小板減少症候群」に要注意です。
「SFTSウイルス」に感染することで発症する感染症で、発熱、おう吐、下痢などの症状を引き起こします。命にもかかわる病気ですので、小さなマダニだからと油断はできません。

現在のところ、ペットが「重症熱性血小板減少症候群」を発症したという報告はありませんが、ワンちゃんにくっついてマダニが家に入り込んでしまうことも考えられます。
そうなれば、人間がマダニに咬まれて……ということだって起こりかねません。

ワンちゃんが草むらに入らないように気を付けたり、ダニよけ用品を活用したりして、マダニとの接触を減らす努力をしていきましょう。
それでも万が一、マダニに咬まれてしまったら。むやみに引きはがさず、ワンちゃんの体にくっつけたまま動物病院に連れてきてください。
無理に引っ張ると、マダニの口だけが皮膚の中に残ってしまうことがあるからです。

こういった危険が潜んでいることも忘れずに、気持ちのいい季節を健康に楽しく過ごせるように心掛けてください。

2015.03.13

ペットの病気

冬のやけど

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

前回のブログでも、冬に症状が悪化しやすい病気ということで「僧帽弁閉鎖不全症」についてお話しました。冬は人間同様、ワンちゃんたちも病気にかかりやすいので、気を付けてあげてください。

冬と言えば、病気以外にも注意しないとならないケガもあります。それが、やけどです。
屋内で飼われているワンちゃんだと、ストーブの前に陣取っている子も少なくないでしょう。
なにかの拍子にそういう熱いものに触ってしまうこともありますので、注意が必要です。

やけどの重症度は、その深さと範囲によって分類されています。
皮膚の表面が赤くなる程度の軽いものから、命に関わるような重症まで様々です。
一般に体表面積の15%を超えるやけどになると、緊急的処置が必要になります。50%を超えるようなことになると、命にもかかわってきます。

また、重篤なやけどでは、脱毛や感覚の喪失、皮膚が黒ずんだり白色化するなどの変化が出ますが、必ずしも体の表面だけに異常が出るわけではありません。
やけどは皮膚全身のショック症状を引き起こすこともあるのです。
熱傷ショックと呼ばれるもので、やけどによって血液が減少することで起きるものです。
さらに、血圧の低下により腎臓に悪影響を及ぼすこともあります。

もちろん、夏場だってやけどには注意が必要なんですが、この時期は特に気を付けましょう。
万が一、やけどを負ってしまったときは、まずはすぐに冷やすことです。
2時間以内であれば、30分は水に浸したり、吹きかけてあげましょう。そして、冷やしながら、病院へ急行してください。

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