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2015.07.10

ペットの病気

心臓の雑音

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

お医者さんの診察、と聞くと、お医者さんが患者さんの胸に聴診器を当てている光景をパッと思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
調子が悪くて内科にかかれば、まずは心音をチェックされますよね。人間のお医者さんはもちろん、われわれ獣医師も同じように、聴診器を使って動物の心臓の音などを聞きます。

心臓の音、つまり心音は、心臓が収縮したときや拡張したときに動く、「弁」の出す音なんです。この弁は、心臓の中の血液が逆流するのを防ぐフタとして機能しています。

逆に言うと、心音に雑音が混じって聞こえる場合、弁の働きが悪くなっている可能性があるわけです。
心雑音にも、わずかな雑音から明らかな異常を示すような大きな雑音まで様々で、私たちは“Levine の6段階分類”という評価法をよく使います。
1度がいちばん小さな雑音で、集中していないと聞き逃してしまうような雑音です。そこから、数字が大きくなるに従って、雑音の音量も上がっていきます。
4度以上となると、胸壁を触るだけでも雑音を感じることができるほどになります。

もちろん、心雑音だけでは、どこにどんな異常があって、どの程度まで病気が進行していて、どんな治療が必要で……などと細かいところまでは分かりません。
実際には、レントゲンや心電図など、ほかの検査の結果と総合して診断を下します。ただ、この心音を聞くという行為も、そういった判断基準のひとつであるわけです。
特にシニア期のペットを飼っている方は、心臓の定期健診を受けるようにしてくださいね。

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