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2015.10.06

予防のこと

知ってるようで知らないワクチンのお話

みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。

ワンちゃんやネコちゃんを生まれたころから飼っている方は、当時のことを思い出してみてください。また、これから赤ちゃんイヌやネコを飼おうと思っている方は、これからのことを想像してみてください。

可愛らしい子犬や子猫の存在は、みなさんの生活に楽しみを与えてくれます。
でも、ただ可愛いだけ、楽しいだけではありません。彼らを健康に育てていくために、飼い主としてやらないといけないことがあります。
その中のひとつが、ワクチンの接種です。
生まれたばかりのワンちゃん、ネコちゃんには、生後約6~8週ごろ、その1カ月後、さらにその1カ月後と3回もの接種が必要なんです。

彼らは生まれてくるときに、お母さんから移行抗体という病気から身を守るための“バリア”をもらいます。
でも、このバリアにはいくつかの特徴があります。それは、期間限定であること、ワクチンとの重ねがけは効かないこと、そしていつから使えなくなるかは個体差がある、ということです。

つまり、移行抗体は短期間しか効果を発揮しないので、その後のためにワクチンを接種するんですが、移行抗体が使える内はワクチンが無意味。でも、いつ移行抗体が切れるか分からない。
と、このような事情があるので、どのタイミングで移行抗体が力を失ってもいいように、3回もワクチン接種を行うわけなんです。

お母さんからもらったバリアが切れた後に接種されたワクチンは、およそ1年間有効です。そのため、翌年からは年に一度の接種でOKになるわけです。
この予防を怠ると、最悪、命に関わる恐ろしい感染症に蝕まれてしまうかもしれません。可愛いワンちゃん、ネコちゃんとの楽しい生活を守るためにも、ワクチン接種は忘れずに受けるようにしてください。

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