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2014.12.25
みなさん、こんにちは。
動物メディカルセンター、統括院長の北尾貴史です。
みなさんも「ヘルニア」という言葉を聞いたことがあると思います。
特に「椎間板ヘルニア」がよく知られているのではないでしょうか。特別な知識をお持ちでなくとも、「椎間板ヘルニアになるとひどい腰痛が起きる」といったイメージは持っておられるでしょう。
でも、この病気は人間だけのものではありません。例えばダックスフンドの体型は椎間板ヘルニアを発症しやすいので、飼い主さんはことあるごとにこの病名を耳にすると思います。
そもそも「ヘルニア」とは、正常な臓器や組織が、本来あるべき場所から異常な穴(すきま)を通って異常な場所に脱出することを差します。
椎間板ヘルニアの場合は、脊椎にある椎骨の間でクッションの役割をしている椎間板が、変形したり突き出したりして神経を圧迫するわけです。
そして、こういった症状は椎間板に限らず、身体のいろいろな場所で起き得るのです。
体表では“出べそ”と呼ばれる「臍ヘルニア」や、“脱腸”として知られる「鼠径ヘルニア」などはまだ知られた方ですが、ほかにも「腹壁ヘルニア」や「会陰ヘルニア」といったものまで様々なものがあります。
さらには、交通事故などの外傷による「横隔膜ヘルニア」や、先天性の「心嚢横隔膜ヘルニア」、「腸間膜ヘルニア」に「脳ヘルニア」なんてものまであるのです。
一言で「ヘルニア」と言っても、すぐに命に関わるような重大な症状もあれば、放っておいても問題のないようなものまで、種類は様々です。
飼ってらっしゃるペットがダックスフンドでなくても、ヘルニアが起きる可能性はあります。ヘルニアについてもっと知りたい方は、お気軽に当院の獣医師にお尋ねください。